
2000.12.17より
漆掻き
漆の木は、岩場のやせ地で山畑にもならない所に生える。ウルシカキというのは漆(ウルシ)の木から漆液を採取する仕事で、主として北飛騨の河合村・神岡町・白川村北部、南飛騨では小ヶ野・和佐などで行われた。その中でも「山中」といわれる河合村の角川・保・羽根・有家などの集落が多量に産出した。また、神岡町の東漆山、西漆山はその名のとおり漆の多い所だった。 飛騨の漆掻きは越前(福井県)からくる漆掻き人足によって始まったといわれている。その後、羽根・保などの集落の人によって採取が行われるようになった。 漆掻きの行動範囲は4キロ四方といわれ、その範囲の中にある採取できる20年前後の木を買い5月から10月頃まで幹から採取する。11月に入ると枝を60?程切って束ね、乾燥しないように水に漬けておいて、この枝から冬の期間中漆液を採取する。 また、漆の実からはロウ(蝋)がとれるため、大切な財源だった。実を加工せず、漆実として出荷する集落や、加工して漆粉として売る場合、ロウとして売る場合、ロウソクにまで完成させて売る集落もあった。漆粉を作るには、臼に実を入れて杵でついて粉砕する。粉砕した漆粉が散って部屋の中が滑るようになるので紙帳を張り巡らしてそのなかでついた。 蝋をつくるには漆の実を蒸し、これをシメキに入れて締め上げて、下から流れ出るロウを箱に流して固形にした。こうしてできた原料を高山や古川のロウソク屋に売っていたほか、越中(現富山県)、越前へも出荷した。